長谷寺  ep.02

咲き疲れた牡丹
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みっちゃんの手は、しっとりと柔らかく、まだ手を繋いだばかりなのに、もう汗ばんできているような11月の肌寒い気温のはずなのに‥

「ごめん、なんか汗ばんできちゃって」

「私もそうなのかも‥じゃあこうしましょ!」

そういうとみっちゃんは、僕の二の腕を抱え込んだ、でも道は急ではないが下り坂になっていて腕を組んで歩くには少し無理があるような、民家が立ち並ぶ細い県道。

ヨタヨタと2人笑いながら下り坂をゆっくりと降りながら

「バイトの頃の記憶はほとんど無いんだけど、滝井の記憶は今でも‥」

「私は両方ともしっかりと覚えてるよ、特に16歳の時の記憶はずっと残ってた。あの頃は処女だったしね(笑)」

「ササジマヒロキさん、もしあの時私が告白してたら、どうしてた?」

「あの頃の僕は‥屑でクソガキだったからなぁあ、多分みっちゃんを悲しませることしかしなかったんじゃ無いかな‥」

「じゃあ、あのままだから、いい記憶のままでいられたのかな‥」

「そうだと思う」

「なんか深いよね」

「お互い長い人生歩んできたからだろうね。」

ここに居る理由はそれぞれだけど、事情を抱えて彼女も来たことだろう、僕もそうだ。

「さっきのお爺さんから、人が全然居ないね。長谷寺って結構有名なお寺だよね」

腕を組んで体を密着させている彼女から、とてもいい匂いがしていて、僕は堪らなく、そして下り坂の端にある電信柱の影に彼女を手繰り寄せ、接吻した。

人目を憚らずとはこのことだろう、彼女も待ち構えたように僕の中に舌を這わせてきた。

「したいね‥」

みっちゃんは、僕の目を見て頷いた

「勃ってきた(笑)」

「私なんか、もうびしょびしょ、さっきからずっとおトイレ行きたい。」

「戻ろうか(駅に)」

「せっかくだから、お寺まで行きましょう、ヒロキさんと初デートだし」

「そうだね、えっちはしたけど初デートだね(笑)」

「今のは、ちょっとデリカシーが無いよ‥」

「ごめんなさい‥」

「でも、私もヒロキさんといっぱいエッチしたい。今晩泊まれない?」

「今晩どころか今週ずっとでもいいよ」

「えっ!ホントに!じゃあお寺巡った後は‥」

「いっぱいしよ!」

軽い気持ちで言ったのだが、まさかこんな返答が来るとは‥

まあ1週間家空けたとしても家族は無関心だから、何か口実つけて連絡入れとけば大丈夫か

年甲斐もなく、股間を膨らませて、さっきまでヨタついていた足取りは、しっかりして彼女の手を繋ぎ歩き始めた。

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